吹田市文化団体第13回交流会
吹田市文化団体協議会「美技を見つめて フェスタ56」 2012/7/8
パネルディスカッションのテーマ~子どもや市民との伝統文化について~
以下池端の発表内容
私は日頃4歳児の幼稚園生から上は85歳の方まで毎日多くの皆様とダンスや体操を通じご一緒しています。そんな毎日の現場の中で、また健康運動指導士、栄養士というプロの立場で子供たちの心と身体の健康、体力低下をなんとかしたいと強く思っています。もう一つは誰もが願っている人生最後までその人らしく心身の健康を維持増進するために今できることをひとりでも多くの方に伝えていきたいそう願っています。今日はそんな日ごろの思いから子供たちの体と心の健康と文化とのつながりについて私なりにお話したいと思います。
突然ですがみなさんはどんな時に幸せを感じますか?
「わ~!幸せだなあ~」と思う瞬間、感じる思いはみなそれぞれだと思いますが、誰もが幸せでありたいと願っていることには間違いないですよね。
例えば「やった!」「できたー!」「これだー!」とか自分が求めていたものを手にした時、思っていることが実現した時、頑張ってやってきたことが実った時など大きな幸せを感じます。
あるいは単純に美味しいものを食べた時、「美味しい~!」とか。美しい景色や、あるいは絵や写真や、お花や、他にもいっぱいあると思いますが「きれーい!」と思ったとき。素晴らしい音楽や、建物や、さまざまな芸術作品を見たとき「素敵!」「素晴らしー!」と感じた時も幸せを感じます。
また、ちょっと違う観点からは「ありがとう」と言われるような自分のしたことで誰かが喜んでくれた時、困っている人を助けてあげた時も、そんな時も良かった~と小さな幸せを感じたりします。
また大好きな仲間とおしゃべりしている時も、一人じゃなくて仲間と一つの目標に向かって頑張っている時に楽しいっていうのはホント幸せです。
人は嬉しい、楽しい、美味しい、と感じるそんな時幸せを感じます。でも悲しいも、悔しいといった感情も私たち人間には実は必要なんです。
じゃこんな感情はどうやって、どんな機会に育まれていくのでしょうか。
特に子どもたちにとって、子どもの頃に経験、体験したこと、子どもたちをとりまく環境の中からそんな感情が生まれ、感性が育ち成長していく。そこに大きな「文化の力」があります。
目で見て「きれい!」とか、耳で聞いて「素晴らしい!」とか、鼻で「わ!い
い香り」とか、舌で「美味しい!」また肌でお母さんのぬくもりや人とのハイタッチ等のふれあいから「あったか~い!」「うれしい!」といったように私たちは目、耳、鼻、舌、肌の五感と心の情操で幸せを感じるのです。
その影響が文化、芸術の中から育っていく、人には大切な時間ではないでしょうか。
精神面の心の強い、優しい人間形成の向上にも不可欠だと思っています。
また私がもう一つ大きな声で伝えて行きたいと思っている幼児期、学童期の運動、遊びの重要性です。
ご存知のとおり、科学技術の飛躍的な発展で私たちの生活様式は大きく変化し、私たち人間の生涯にわたって動きの基本となる「歩く」ことをはじめとして私たちは体を動かす機会が激減しました。家事の手伝いの機会もずいぶんなくなりました。(食洗機など)都市化、少子化が進み子どもたちの遊ぶ場所、遊ぶ仲間、遊ぶ時間の減少や、交通事故や犯罪等の懸念から子供たちが体を動かすこと、遊ぶ機会の減少は昔に比べると計り知れません。
このことについては、日本家庭教育学会発行の冊子の中でも執筆させていただきました。
では子供たちにとって特に幼児期に遊ぶこと、体を動かすことがなぜ重要なのでしょうか。
少し専門的になりますが、幼児期は生涯のなかで最も神経系の能力の発達が著しく、7歳頃までに成人の90%、ゴールデンエイジと呼ばれる10歳頃までにほぼ完成します。例えば転びそうになった時ぱっと手が出て、頭から転ばないとか、危険なものに遭遇した時、さっとよける、といったことなどタイミングよく動いたり、力の加減をコントロールしたり、周りの状況を的確に判断し予測して行動する能力をつけ怪我や事故から自分の身を守るといった能力を養う時です。
また私が日頃から強く感じていることは子供時代に体力や運動能力をつけることは意欲や気力といった精神面にもその後の青年期、成人期に大きく関わることもわかっていますし、対人関係などコミュニケーションをうまく構築できない子どもの心の発達にも大きな影響を及ぼすと言われているからです。
じゃ、私たちに何ができるのでしょうか。
「心」情操を育てるために「体」元気な身体を育てるために、意欲や気力、踏ん張る力、また自分の心、気持ちをコントロールするなど強い精神も育てるために
この吹田市文化団体の皆様にも多くの力やお知恵を頂き、例えば琴や,三絃、尺八といった日本古来の伝統文化。囲碁も木目込み人形も、盆栽も七宝も日舞もそうです。まだまだ子どもたちに伝えていきたい、素晴らしい文化がたくさんあります。
保育園、幼稚園、学校等とも連携をとって小さなことからでも未来に発信し、子供たちとの交流の場を時間と、空間と、仲間と言われる「三間」を作り出し文化の継承を通して未来の子供たちにたくさんの財産を受け継いで行きたいと考え、願っています。
私自身も情熱と、信頼で小さな力ですが少しずつ、これからも精一杯頑張っていきたいと思っています。
ご静聴ありがとうございました。